傷つきやすい、動揺しやすい、敏感過ぎる、繊細すぎる。そんなあなたはHSPかもしれない
HSPとは?
HSPとは、非常に感受性が強く敏感な人のこと
HSPとは、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が、提唱した新しい概念であり非常に感受性が強く敏感な人のことです。
日本人には、HSPの人が多い可能性がある
アメリカの人口の15~20バーセントが、HSP(Highly Sensitive Person)と言われています。つまりアメリカでは5人に1人がHSPであるということです。日本人の国民性を考えると、日本ではもう少し割合が多い可能性がありそうです。
HPSの人の特徴
- 感受性が豊かで、感情が動きやすい。(たとえば、涙もろい、驚きやすいなど)
- 人の気分や感情に左右されやすい、また、それにより疲れやすい。
- とても想像力が豊かで、一人頭の中でよく想像が膨らみやすい。
- 他の人が「我慢できる程度」という痛みにも敏感に反応し、我慢しがたい。
- 乱暴や、暴力的な映像を見るのがつらくて、人一倍、見ることを避けている。
- 自分にとっては騒音に感じる音も、周りの人はそこまで気にしていなさそう。
- 人の痛み、苦しみに敏感で、困っている人にすぐに気づいたり、
手助けをしようとしたり、電車ですぐに席を譲ろうと思える。
(話しかけるのは勇気がいるので、必ずしも譲れなくても、そう”思える”人) - スケジュールが満杯に詰まっているのが苦手。
お休みの日は、なるべくお家で静かに過ごしたい。 - 忙しい日が続くと、人と会うことで発散するのではなく、
一人でいたい気持ちになる。 - パトカーの音、救急車の音などが聞こえている間中、そわそわしてしまう。
- 香水などの強い匂いや、着心地の悪い衣類などに強い不快感を感じたり、
場合・程度によっては、体調が悪くなる。
HSP度チェック
次の質問に、感じたまま答えてください。
少しでも当てはまるのなら「はい」と答えてください。
まったく当てはまらないか、あまり当てはまらない場合に、「いいえ」と答えてください。
・自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
・他人の気分に左右される
・痛みにとても敏感である
・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる。
・カフェインに敏感に反応する
・明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
・豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい
・騒音に悩まされやすい
・美術や音楽に深く心動かされる
・とても良心的である
・すぐにびっくりする(仰天する)
・短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
・人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく
(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
・一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
・ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
・暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
・あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
・空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
・生活に変化があると混乱する
・デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
・動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
・仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
・子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた
以上の質問のうち12個以上に、「はい」と答えたあなたはおそらくHSP でしょう。
しかし、どの心理テストも、実際の生活の中での経験よりは不正確です。たとえ「はい」がひとつかふたつしかなくても、その度合いが 極端に強ければ、あなたもHSPかもしれません。
HSPの短所
過剰に反応してしまう
HSPの人は高い感受性を持つ人ため、環境の変化やちょっとした刺激に、激しく反応してしまう。たとえば少し批判されたただけでも、ひどく傷ついて落ち込んでしまう。気持ちの切り替えがうまくできず、暗い気持ちを引きずってしまう。そんな自分に自己嫌悪を感じ、自分を責めてしまう。結果、自尊心が低下し、ますます自分のことが嫌いになってしまう。そういう負の連鎖には陥ってしまう人がHSPの人には多い。
そんなHSPの人を見て、「神経質」「臆病」「弱虫」「引っ込み思案」 などのレッテルを貼る人がたくさんいる。そのせいで負の連鎖の陥っているHSPの人はますます負の連鎖に陥ってしまう。
人によっては著しく自尊心が低下してしまったため、世間が恐ろしいものとなり、ひきこもってしまう場合がある。
HSPの長所
一度こうと思ったら己の信念を曲げず貫き通すことができる。
一生をかけて課題に取り組む力があります。研究者などには最適な長所といえます
人の心によく気づくことができる
普通の人は気が付かない、些細なことに気づき、他者を気遣うことに使えます
感受性が強い
感動や喜びを人一倍感じ取ることができる
(五感に恵まれているため、音・香り・食べ物・美しいもの・感動や喜びを、感じ取ることができますし、生まれながらに、スピリチュアルな感覚が備わっています)
HSPは治るのか?
HSPは病気ではありません。個性です。
「だから私ダメなんだ…」と思うんではなく、
「これは自分の個性だ。この能力を有効に使おう」
と考えよう。
自分の繊細な感受性を使って成功した人たちがいます。
HSPの先輩とも言えるその人たちを紹介したいと思います。
J・K・ローリング
ロ バート・ガルブレイスというペンネームで「カッコウの呼び声」という作品を発表していた、「ハリー・ポッター」の作者J・K・ローリング。彼女は内向的な 人とされている。内向的な人は、ひとりで考えごとをしているときが、一番創作的になれるといわれている。実際にローリングが1990年に初めに、「ハ リー・ポッター」のアイデアを思いついたのは、マンチェスターからロンドンへ向かう電車にひとりで乗っていたときだった。
「6 歳のときから小説を書いていますが、そのときほど自分のアイデアに興奮したことはありません。ストレスだったのは、ペンのインクが切れても、自分があまり にシャイで、周りの人にペンを貸して下さい、と頼めなかったことです……」とローリングは書いている。「書けるペンはありませんでしたが、いいことだった と思います。遅れた電車の中で、4時間座って考えていたときに、痩せて黒髪でメガネをかけた、自分が魔法使いであると知らない男の子の具体的なアイデア が、頭の中に湧いてきたんです」
ビル・ゲイツ
作 家で内向性研究の専門家であるスーザン・ケインは、マイクロソフトの共同創立者であるビル・ゲイツを内向的な人物だと述べた。彼女は著書の『Quiet』 (邦題:内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力)で、「個性を引きのばすことはできますが、限界があります」と書いた。「ビル・ゲイツは、いくら社 交スキルを磨いてもビル・クリントンにはなれません。ビル・クリントンも、どれだけパソコンの前でひとり過ごしても、ビル・ゲイツにはなれません」
ま た「ビル・ゲイツは、シャイではない内向的な人の典型でもある」と、ケインは自身のブログに書いている。「ビル・ゲイツはもの静かで読書家ですが、他人の 意見に動じることはありません。内向的ではあるけれどシャイというわけではないのです」このケインの言葉は、ビジネス界の重鎮の心を捉えたようだ。ゲイツ は、ケインをTEDトークを13のお気に入りのひとつに挙げている。
オードリー・ヘプバーン
女優の仕事をしていたが、オードリー・ヘプバーンも内向的だったという。「私は内向的で……1人でいるのが好きで、外にいるのが好きで、犬と散歩をしながら木や花、空を眺めるのが好きなの」という彼女の言葉は、今なお引用されている。
エマ・ワトソン
「パーティーでパートナーのいない女の子として評判になったのは、自分の内向的な性格によるわ」と、女優エマ・ワトソンは話している。
「面 白いですね。周りの人には『外に出ないで、いつも酔っぱらっていてクラブに行くなんて、すごくいいじゃない』みたいなことをよく言われるので。でも私は、 もともと内向的な人間なだけで、必要があってあえてそうしているわけではありません。私は純粋に自分でいるだけなんです」とエマ・ワトソンは語った。
「スー ザン・ケインの『『Quiet』(邦題:内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力)は読みましたか? ……その本でどのように 外向的な人が社会のなかでこれだけ大きな存在になったかを議論しています。もしあなたも外向的な人だったら、ちょっとおかしいと思ったほうがいいですよ。 そういうことがたくさんありました。自分に自信が持てるようになりました。どうしよう、私っておかしいんだ、外に出たくないし、まわりの友だちがやりたい ことも、(私は)したくないと思ってたからです」
アルバート・アインシュタイン
「相 対性理論」を唱えた世界的に高明な物理学者も、内向的だったといわれている。他の内向的な人たちと同じく、アインシュタインも、ひとりで考えごとをしてい るときが一番仕事がはかどったようだ。よく引用されるアインシュタインの言葉「静まりかえった生活の退屈さと孤独が、創造心をかきたてる」
栄養療法によって過度な神経過敏を解消する。
敏感な性格の人の血液には、ある特定の栄養素が足りていないというような特徴があります。それをサプリで補うことで、はっきりとした効果を感じる方が多いです
肝臓を疲れさせない
何故肝臓を疲れさせてはいけないかというと、「肝鬱」と言ううつ症状になるからです。(東洋医学の考え方)
通常の鬱が食欲不振など消化器系の不調から始まるのに対し、肝鬱はイライラや落ち込みなど精神の不安定から始まるそうです。
食品添加物の多い食品をできるだけ減らす
食欲がないという方はもしかしたらそれに含まれる添加物を本能的に避けているのかも知れません。
食品添加物の多い食品をとると、内臓が焼けるように感じたり、重くなったり、冷たくなったりします。(添加物の種類によるかも)
現代日本で食品添加物を全くとらないということは不可能に等しいですが、工夫次第で極力減らすことはできます。
下半身を冷やさない
下半身を冷やすと血が上に上っていき、血流が悪くなります。血流が悪くなると睡眠も充分にとれないため、神経過敏になります。
ある鍼灸師の先生は自閉症で怒ってばかりいる子どもに、内臓の極端な冷えのかたまりを感じて、腹部を温め、血流を良くする治療をしたところ穏やかになったそうです。
呼吸法を利用する
とにかく“深呼吸”をし、そして、もしも、可能ならば、その場から 離れ、自分を ニュートラルな意識に 戻すことが 大切です。
↓呼吸法に関する記事です
何故、HSPはできたの?
人間には強すぎる刺激を自然に中和する能力が備わっているそうです。刺激の強い騒音などは聞こえないようにしたり、意識の外に出してしまったり、丸ごと記憶から消してしまったり。自分の心と体を守る能力が本来備わっているのです。
HSPと言われる人とそうじゃない人との違いは、その自己調整能力にあると思います。その力が多くの人は自動調整なのに対し、HSPの人は手動調整なのだと思います。普通の人が外の世界の刺激を自動で調節している。だから悩まずにすむ。でも、HSPの人は、外の世界の刺激を手動で調整している。だから悩んでしまう。手動なのだから自分の力で調節しなければならないからだ。外の世界は刺激に満ちている。そんな無数の刺激のすべてをHSPの人は手動で調整しているのだ。そんなたいへんな作業を毎日のようにしているHSPの人が普通の人と同じように生活できるわけがない。
HSPの最終目標
「普通」又は「中道」を見極めることだと書いています。
「普通」や「中道」とは、より強くたくましく優れた人間を目標とする社会の理想形にそうことでもなく、スピリチュアルや心理学的なものばかりに囚われ他を排除する姿勢でもありません。全体性を追求し、本当の意味でのバランスを保つことです。
バランスを保つことは大事です。HSPの人も例外ではありません。
HSPの人は、社会常識と自分の常識(自分はHSPだという常識)のバランスを保つことが大事だと思います。そのバランスが崩れれば、心のバランスも崩れてしまうからです。社会の常識を守ることは大事です。でも、HSPの人にはどうしても守れない常識も社会常識の中には存在します。そんな常識に無理に合わせようとすれば心のバランスを崩してしまい、病気になってしまいます。そうならないためには自分の心のバランスを崩す社会常識に無理に合わせない生き方を模索しなければなりません。社会常識に無理に合わせずにすむ生き方を見つけ、その生き方を実践することは難しいかもしれません。でも、自分のHSPときちんと向き合い、受け入れ、誠実に生きればきっと自分らしい生き方ができるはずです。その生き方をサポートしてくれる人も現れるはずです。だから、無理に自分の心のバランスを崩す社会常識に合わせるのではなく、自分らしく生きられる道を模索してみてください。
HSPの人は繊細で感受性が強い人です。その個性的能力を他者を思いやる方向に向けるのが、HSPの人が幸せにつながるのではないでしょうか。